テスト勉強のコツ　単独紀行

テスト勉強は計画的に

テスト前にはきちんと計画を立ててそれに従って勉強していました。

とりわけ中学1年生の時は（学校の方針もあって）ずいぶんと手の込んだことをしていました。3週間ほど前から計画を綿密に立てて、試験範囲を完璧に暗記・理解していました。1週間前になると最後の詰めに入ります。これまでに間違えた個所をもう一度解きなおして、理解できないところが無いようにしました。テストで全科目満点に近い点数を取るためにはそれなりの努力を要しました。

テスト直前に慌てて対策をするのは、その場しのぎに過ぎず、テストが終わるとすぐに忘れてしまいます。もはや勉強とは言えません。テストは自分がどの程度理解できるのかを確認する上で参考になります。せっかくそのような機会があるのですから、役立てていきましょう。テストに向けて準備するというのも一見すればおかしなことかもしれませんが、自分の力をつけるきっかけになります。

テストは終わった後が肝心

テスト前よりもテスト後にしっかり勉強するのが伸びる秘訣です。

テスト中に自信のない問題にチェックを入れておき、テストが終わったらその日中に復習を行います。

分からないところを放ったらかしにしていてもいつまでたっても力はつきません。テストが終わったらそれでおしまい、というのはあまりにもったいないです。「まとめノート」を作って間違えたところや不安な個所を整理しておくのも手です。私は中学受験の時も大学受験の時もこまめに「まとめノート」を作っていました。頻繁に見返して今後の学習に役立ててください。

夏休みの宿題は早めに

私は、宿題が出たら早めに片づけておくのが習慣でした。夏休みの宿題も出されたらすぐに取り組んで、休みが始まる前に大方終わっていました。そうすれば、気がかりなこともなく長い休みを楽しむことが出来ますよ。

ひとりの山

（昨年歩いた山の記憶）

静かで気持ちよくて、自分の空間を生きることができます。深い森の中に自分独りだけが存在しているのは何とも言えず心を満たします。動物はそんな私に心を許し、すぐ近くに姿を現してくれます。

私は、多数のハイカーのように大きな声を山中に響かせたりしません。カラフルで目立つような服装もしていません。使い込んだ服もザックも、山の中に自然と溶け込み、一歩一歩落ち葉を踏みしめる音は沢のせせらぎや春ゼミの合唱と同じように軽やかで、森に吸収されていきます。

上州大峰山（群馬県北部）のキレット（V字型に深く切れ込んだ鞍部）で、ばったりカモシカと出くわしました。向こうはやや驚いたようですが、こちらが一人であり、さらに物静かそうだとわかると、自分の時間を過ごし始めました。落ち葉の上をゆっくりと音を立てずに歩き、木の根元に生えているシダや草に自分の顔を擦り付けています。臭いをつけているのでしょうか。全く私に動じずに、私を同じく森の住人であるかのように扱い、警戒心を持つこともありませんでした。貴重なひとときでした。間近でこんなにも長い間カモシカと時を過ごしたのは初めてです。私が、近づこうとゆっくり動くと、カモシカは両足を前の岩にのせ、こちらを関心深く見ます。おや、あそこに二本足で立っているのは何だ。こう、思っているに違いありません。私も、カモシカの行動を興味深く観察します。

たくましい4本の黒い脚に支えられた白銀の毛並みをそなえた身体。その容姿といい、風格といい、毅然たる態度といい、森の主にふさわしいものでした。カモシカは一連の動作、そして私との対面をすませると、岩壁の方へと姿を消しました。

私はそのまま縦走路を北へと向かいます。吾妻耶山という祠が置かれた山頂につきました。正面に息をのむほどに美しい谷川連峰がそびえています。2000ｍ級の山脈であるにも関わらず、3000ｍ級の威厳を持ち得ていました。昨冬、吹雪の間隙をついて登頂したときも雪と岩が織りなす造形に心を打たれましたが、黒々とした岩壁と草原と残雪からなる景色も見ごたえがあります。

手帖に荒々しい連峰をスケッチし、散文のような詩を書きつけると、そのまま見晴らしの良い場所で昼寝をしました。このようにのんびりできるのも、人が少ない山域をたった一人で歩いているからです。ガイドブックに頼らず、自分の気の向くままに山を選んで、そこを彷徨する。

ひと気のない森を一人で歩くのはやはり楽しい。単独行という形は私にあっているに違いありません。