十人十色 自分を知る

学び舎通信 147

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十人十色

人はそれぞれ違います。人の好みや考えはみな違うことを、「十人十色」と言います。「自分は人と違う。人は自分と違う」ということを覚えていなければなりません。「自分は人と同じ、人は自分と同じ」と思っている人は、人間関係で、悩んだり、苦しんだり、怒ったり、いらついたりします。 

「自分の考えは正しい」と思って生きている人は、たくさんいると思います。でも、「いつでも自分が正しい」などと思ってはいけません。それは自分がそう思っているだけなのですから。本当のところは、後になってみなければ分かりません。「いつも自分が正しい」なんて思うのは、傲慢というものです。「自分は正しいだろうか。間違っていないだろうか」と、常に考えるようにするといいと思います。

自分の意見を持つのはいいことですし、自分の考えを持つのもいいことです。しかし、それは自分の意見、自分の考えだということです。他の人は違うかもしれません。他の人にはその人の意見や考えがあります。どちらが正しいかということではありません。人と自分は、違うということです。

自分の意見、自分の考えを大切にするように、相手の意見や相手の考えも尊重してあげること。それが正しい人間関係だと思います。

自分を知る

世の中には、「ほんとうの自分」を知らないまま生きている人がたくさんいます。

皆と同じように考え、皆と同じようなことをし、皆と同じような生き方することを望む人は、たくさんいます。皆が持っている物を欲しがり、皆と同じ格好をしたがる人は、たくさんいます。しかし、皆と違うことを考え、皆と違うことをし、皆と違う生き方をする人は、少ないです。「皆と同じように」と考えている人は、「ほんとうの自分」を知らないまま生きているのではないかと思います。周りの人を気にして、自分を見つめようとしていないからです。

すべての人にとって、最も大切なことは、自分自身を知るということです。みなさんは、自分の人生を生きたいように生きていいのです。しかし、  

自分というものを知らないままだったら、結局、「その人生はいったい誰の人生だったのか」ということになります。

すべての人にとって、最も大切なことは、自分を知るということです。なぜなら、人は自分の人生を生きるために、この世に生まれて来たのですから。自分を知らないまま生きているのなら、それは自分の人生とは言えません。自分を知って初めて、自分らしく生きることができます。

自分を知ることは、人生の大きな目的のひとつです。「ほんとうの自分」は、他の人にはわかりません。「ほんとうの自分」は、自分さえもよくわかっていません。でも、「ほんとうの自分」を知ることのできるのは、自分以外にないと思います。

思いやり

相手を思いやるには、大きな心と心のゆとりが必要です。自分よりも小さな者や弱い者を、いかに思いやることができるか。それによって自分の大きさや強さが分かります。 

自分や他の人を傷つけたり、苦しめたりすることを言ったりしてはいけません。人の悪口を言わないこと。人の欠点を責めたり、嫌がることを無理にさせたり、押しつけたりしないこと。

自分も他の人も幸せにすることを、心掛けるといいと思います。穏やかな心で人に接すれば、自分も他の人も幸せになります。

素直さ

落ち込むことは誰にでもあります。でも、気持ちが沈むというのは、「頭と心と体を休ませなさい」というサインだと思います。くよくよ考えないで、ゆっくり休めば、また元気もやる気も出てきます。

劣等感は、「自分が他の人より劣っていると思う感情」、優越感は、「自分が他の人より優れていると思う感情」と、辞書に書いてあります。でも、自分の至らなさを知っている人は、劣等感をいだきやすいし、自分の至らなさを知らない人は、優越感にひたる傾向があるのではないでしょうか。  本当は、劣等感も優越感も持たないほうがいいのです。自分の未熟さを人に知られても、気にする必要はありません。「あ、そうか」と、素直に認めればいいのです。問題なのは、自分の未熟さに気づかないで、ひねくれていることです。人には、良いところもあれば、良くないところもあるのです。

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学び舎タイムズ編集部

教職歴37年。中学・高校教諭、予備校講師を経て、1996年6月に小さな個人塾を開塾しました。
「将来的に役立つ学力を身につけた子どもを育てたい」という想いから生まれた、こだわりの天然木造教室は保護者からも好評です。

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