自主 実行 情熱
学び舎通信 177
自主
世の中に出たとき、テストの点数や学校の成績は、役に立つわけではありません。社会で必要な力は、他人に頼ったり、他人から指示を受けたりしないで、自分で決めて行動できる力、自主的に行う力です。
AI(人工知能)の発展によって、これまで人間がしてきた仕事の多くが機械に取って代わられると言われています。自ら学び続ける人は生き残り、そうでない人は仕事がない時代になるかもしれません。
難解な問題を自分の頭で考え抜くという社会で実際に必要な力を鍛えるのに、自学自習の訓練は適しています。学校で宿題が出されたから、先生にやるように言われたから、勉強するという癖がついてしまうと、社会人になっても他人から指示を出されないと行動できない人間になってしまいます。
自学自習のトレーニングを途中で諦めないで最後まで続けると、答えのない複雑な問題を自分の頭で考え抜き、解決していく力を養うことができます。自分が定めた目標を達成するために、計画を立てて、それを実行するという毎日の積み重ねが、変化の激しい社会に対応できる思考力を高めます。
学び方は生き方につながります。いろいろ考えて、工夫して、自分に合った学び方を自分で見つけます。そうすれば、自分らしい生き方が見つけられます。
実行
今日やるべきことをしっかりと確実に実行し、それを毎日積み重ねて365日続ければ、目標は必ず実現できます。当たり前のことを一つひとつきちんと確実に行うことで、成功率は格段に上がります。
毎日、毎週、同じ時間に同じことを行うようにすれば、そのことを苦痛なくできるようになります。嫌だなと思ったり、調子が乗らなかったりするときでも、やると決めたことは必ずやるのです。毎日繰り返していれば、体が自然に動くようになります。
自学自習を続けるためのポイントは、毎日、毎週、同じ時間に同じように勉強することです。たとえば、食事前には必ず1時間勉強すると決めます。1時間勉強しないとご飯が食べられないので、最初はいやいやでも勉強するようになります。「勉強+ご飯」というセットを繰り返していると、毎食ご飯を食べるのが習慣になっているように、勉強も当たり前のように続けることができます。実行し続ければ、後に、実力になって、目標に近づけます。
1日24時間のうち勉強時間を自分で決めます。毎日継続して勉強するには、スマホやゲームなど、しなくてもよいことをきっぱり止めるか減らすことが重要です。そうすれば、勉強のための時間が確保され、勉強時間を増やすことができます。しなくてもよいことを止めて、勉強時間を確保し、そのうえで、心と体を慣らしながら、少しずつ勉強時間を増やしていきます。やがて、それが毎日の習慣になります。
ゲームなどを止めて勉強を実行するために大切なものは、才能ではありません。情熱と粘り強さです。
情熱
「学校の勉強ができるといって、必ずしも仕事ができるとは限らない」とよく言われます。勉強と仕事が直結するかしないかは、親や先生に言われて勉強させられてきたのか、自主的に学んで実力をつけてきたのか、の違いで決まります。
志望校合格で勉強が終わるのではなく、好奇心を持って自学自習を実行し、一生学び続けられる人が、生き残り、時代を創っていくことになります。他人に勉強させられるのではなく、自分に合った学習スタイルをつくり、自主的に学ぶことが大切です。
自学自習を最後までやり抜くためには、本当に実現したいという強い情熱がなければなりません。他人から押し付けられた目標や、親から言われたから仕方なく目指すことでは、自学自習は続きません。
心の底からやりたい、実現したい、成し遂げたいという情熱が湧き出るような目標を、自分で設定してこそ、自学自習を最後までやり通すことができます。
情熱があれば単調な暗記もできます。暗記は7回以上繰り返すと成功します。「入力を繰り返すよりも、出力を繰り返すほうが脳回路への情報の定着がよい」ことを自学自習に取り入れます。覚えようと暗記するだけではなく、暗記した内容を紙に書いたり声に出したりする練習を繰り返すと、学習内容が定着します。自分で小テストをしたり、問題集を解いて自己採点したりすれば、より効果的な学習ができます。 自分らしく生きるには、自主性を養うこと、実行力を強くすること、情熱を燃やすこと、困難を乗り越えて、生き抜く力を出すことです。