積極的に行動して、自律的な人になる

積極的に行動して、自律的な人になる

強く思ったことは、必ず実現します。

人生の出来事は、すべて自分の心が作り出しています。健康的にも、運命的にも、理想的な人生にしたければ、平素の生活で積極的に行動しましょう。

心をいつも積極的にし、楽しい、愉快なことだけを考えましょう。「人生は楽しく過ごすものだ」と強く思いましょう。心は感じてから、思って、考えます。だからマイナスのことを感じても、思わないことです。消極的な言葉は一切口にしてはいけません。「いやだ」とか「おもしろくない」と感じても、そんな気持ちは笑い飛ばして、善い行いをしましょう。

本心や良心にそむいた行いをしてはいけません。毎日、怒らず、恐れず、悲しまず、常に明るく朗らかに生き生きと何事にも対処しましょう。

どんなことがあっても、穏やかに節度をもって振る舞える人は、少ないです。おそらく、100人いれば、まともな人は10人くらいです。90人くらいの人は、上位者におもねり、指示があるまで自己判断では動かない「イエスマン」です。しかし、これからの時代はそんな信念のない人には用がありません。　

必要なのは、自主的に行動でき、「自分が何をするべきか」を誰にも命令されなくても、自分で考えて判断でき、「自分がしたことの意味や価値」について他人に評価を求めたりしない自律的な人です。

師弟同行で努力する

「先生も生徒と同じように修行するのだ」という精神を、「師弟同行」と言います。

「人間は考える葦である」という言葉を残した、パスカルは、「私は師より多くのものを学んだ。だがそれ以上のものを友人知己から学んだ。しかし私が最も多く学んだものは私の弟子からである」と言い、また、「モナ･リザ」を描いた、レオナルド・ダ・ヴィンチは、「自分より偉い弟子を作り得ない教師は教師の資格がない。師より偉い人間になれない弟子もまた弟子の資格がない」と書き残しています。

イギリスの湖水地方の詩人、ワーズワースは、詩の中に、“The Child is father of the Man.”と書いています。「子どもは、大人の父である」とは、「育てるということは同時に育てられることでもある」という意味です。教師も親も、子どもを教えたり育てたりするときに、必要なのは、「自分もまた子どもから教えられるのだ」という謙虚さです。

子どもの教育に豊かな雰囲気と温かい思いやりは必要ですが、依頼心や射幸心を起こすようなやり方は絶対に避けなければなりません。射幸心は努力する心をなくすからです。努力とは読んで字のごとく、つとめにつとめることであり、自らの意欲を振り絞って積極的に取り組んで行くことです。

「最小の努力で最大の効果を得る方法はないか」と考える人がいますが、そんな方法はありません。簡単に成績を上げられる方法や安直に志望校に合格できる方法を求めようとする心は、やがて怠け心となり、悪の道につながります。

努力してよい自分をつくる

1000以上の発明品を残し、「発明王」と呼ばれた、エジソンは、「天才とは努力の替え名なり」と言い、「私の人生は99パーセントのパースピレーション（汗）と1パーセントのインスピレーション（霊感）であった。自分の発明の99パーセントは汗すなわち努力によるものだ」という言葉を遺しています。

近代オリンピックの創始者クーベルタンは「その人が成功したかどうかを決める目安は、その人が勝利者であるかどうかではなくて、いかに努力をした人であるかどうかである」と述べました。

明石鯛や玄海鯛は美味しいそうですが、その理由は明石灘や玄界灘の荒波にもまれて育ったからだと言われています。また、中国の最高の銘茶は、厳しい環境の山かいに育った野生の茶だそうです。このお茶が優雅な香りを発する理由は、大自然の風雪に耐え抜いたからだと言われています。

人間も難行苦行を重ねることで、高雅な香りを発するようになります。ドイツの詩人、ゲーテは「天才とは努力する才能なり」と言い、江戸時代の儒学者、新井白石は「自分を天才という人は自分を知らない人であり、自分をよく努力する人と評する人は自分を知れる人である」と言いました。 努力は天才を生みます。黙々と弛まぬ勉強を続けている子どもは、学力を伸ばしています。ノートは子どもの頭脳を映し出すスクリーンです。子どものノートを見れば、その子の勉強に対する姿勢や努力をうかがい知ることができます。人間は誰でも、努力してよい自分をつくることができます。