人生は冒険 創造的に生きる

学び舎通信 154

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人生は冒険

100パーセント安全な冒険は、冒険とは言いません。大なり小なりの失敗の可能性があっても実行してみること、試行錯誤の原則に立つことが冒険です。 

学校の教師を辞めたのは、30歳のときでした。周りの人から、もったいない、なぜ辞めるの、と言われました。安定した職を捨てるのですから、そう言われるのも当然です。

身分を保障された立場以外で自分の力を試してみたい、自分独りの力でどこまでやれるか自分自身に挑戦してみたい、という気持ちがありました。

失敗しないための最も確実な方法は何もしないことです。しかし、それでは生きる意味がありません。気持ちが挫けそうなとき、なぜ生まれてきたのか、何のために生きるのか、と自分自身に問いかけます。 

私塾を始める前に、進学塾や予備校で3年間教えました。学校の教師と違って、勉強だけを教えていればいいので体力の要らない仕事でした。教えることと学ぶことの意味を理解しようとせず、ただ会社の業績を伸ばすことだけに関心を寄せる烏合の衆だということがわかりました。教育を出しに一儲けしようと企む輩と闘うしかないと思いました。幸い、講師のレベルもわかりました。さあ、どこからでもかかってこいという意気込みで始めました。

創造的に生きる

常に新しい情熱を抱いて、新しい計画のなかに身を投げるのです。創造することより他に喜びはありません。他人のすることの欠点を探して悪く言う暇があったら、自分で多少なりとも独創的なことをやってみるといいです。批判することに自分自身の発展はありませんが、創造することは自分自身を発展させます。大切なのは、困ったことや苦しいことに打ち勝とうとする意思を持ち続けることです。

「人間とは何か。この世とは何か。この世における人間の生き方とは何か。生きるに値する意味とは何か。魂とは何か。高い知性を持ち合わせながら理念に従って崇高に生きられないのはなぜか」と自分自身に問い続けています。

なぜ、講師を雇って塾を大きくしないのですか?

と訊かれることがあります。ほとんどの塾では、大学生のアルバイト講師を雇っています。しかし、私は塾を大きくしたくはありません。教育はビジネスではないからです。学び舎に来てくれる子どもたちだけに愛情を注ぎたい、正しい学び方を身につけて自立した生き方ができる人間に成長してもらいたいと思っています。それに、私は人に雇われたくもないし、人を雇いたくもありません。人から命令されたくもないし、人に命令したくもありません。

本物の偉人であるならば、他人の人生を支配するようなことはしません。教えを乞われて答える場合は、「他人の誰よりも自分自身の力を信じ、自分の努力によってその力を引き出すほかに道はない」とたった一言言うだけでしょう。

自分の問題を自分で解決しようとしない者は恥ずべき卑怯者です。あなたには元々あなた自身を救える力が具わっているのです。あたかもそれがないように感じてしまうのは、その力を引き出す方法を知らず、底力を振り絞る習慣を身につけていないためです。

生者としての唯一無二の宝物は、誰の支配も受けない、誰も支配しない立場です。それこそが真の自由であり、真の自立であり、真の若さであるのです。けれども、さまざまな欲望やさまざまな情念がその道を妨げ、そこに到達できる者はきわめて少数です。生きることの醍醐味はおのれが確信を持って設定した目標にどこまで肉薄できるかどうかにあるのです。

かれらは立場に関係なく、純粋で、ひたむきで、きちんと自分を持っており、自己のやるべきことをわきまえ、進むべき未来と、世界の動向という現在にしっかり目を据えています。そして何よりも、かれらは自身との真摯な闘いをやめません。希望を失いかけたときでもけっして泣き言は言わず、助力を求めて来たりせず、少しでも正しいと思える方向に自己を添わせるような地道な努力をいかなる窮地においても惜しまないのです。

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学び舎タイムズ編集部

教職歴37年。中学・高校教諭、予備校講師を経て、1996年6月に小さな個人塾を開塾しました。
「将来的に役立つ学力を身につけた子どもを育てたい」という想いから生まれた、こだわりの天然木造教室は保護者からも好評です。

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