学ぶ力を強くする6ステップ 生きる意味
学び舎通信 164
よく学ぶことはよく生きること
これまで学ぶ力を強くするための6段階について述べてきました。学習の基本は生活にあります。自己管理能力があり、規則正しい生活をしている人は、着実に学習することができます。ここで学力向上のためのStep1からStep6までの要点を整理します。
Step1は食事と睡眠。
三度の食事をきちんと摂り、好き嫌いせずに何でも食べる。早寝早起きをする。不必要な物や誘惑を撥ね除けた簡素な生活をする。
Step2は三つの構え。
体調を整え身のこなしを美しくする体の構え。必要な物を必要なだけ持つ物の構え。やるべきことを必ずやる心の構え。
Step1とStep2が生活の基本です。この基本の型を身につけることで自己管理能力が養われます。
Step3は集中力。
やると決めたことに全力を注ぎ込み、きちんとやり遂げる。
Step4は持続力。
単調で地味な練習を日々延々と繰り返し、努力し続ける。
Step5は三つの心。
自分以外を頼みとしない自立心。自分のことは自分でやっていく自律心。物事の本質を見究めようとする探究心。
Step6は二つの力。
諦めないで粘り強く挑み続けていれば身体の奥底から湧いてくる底力。何事にも恐れたり怯んだりしない胆力。
生きる意味
人生は試練の場であり、闘いの連続です。
そのひとつひとつに勝ち抜いていくのですが、たとえ敗れたとしても、やがて立ち上がれるという生まれつきの素晴らしい才能が誰にでも具わっています。容易には切り抜けられない事柄や事態に挑むことにこそ、生きる意味と生きる醍醐味があります。もしかすると、生きることの意味はそれ以外に何もないのかもしれません。どこまで自分が自分であり続けることができたか、それが人生の究極の目的かもしれません。
皆さんのひとりひとりに、自分自身の力を最大限に引き出す能力が具わっています。内に秘められた力を自分の手によって引き出すという大原則を守ること。最大の損失は、自分の立場を自ら弱い者と決めつけてしまい、泣き言を言いながら強そうに見える者に寄り掛かるという悪い癖を身につけることです。多くの人は、自分が自分に向かって命令を下すことの偉大さを知らないまま、この世を去っていきます。殆どの人は、他人の命令に従うことの気楽さを知っていても、その悲惨さをまったく分かっておらず、分かろうとさえもしていません。
大方の人は、手に負えないほど多くの情報と誤りの多い説に惑わされ、権力を持った者の思いのままに操られています。システムに組み込まれ、流され、自分を見失い、心身共に憔悴し切っています。
生きる意味は、権力や社会風潮に迎合するのではなく、物事の正しい道筋を理解し、真心を込めて努力し、何事も自分で判断し決断し行動することです。
ケセラセラ
躓きや失敗のない人生なんてありません。誰でもしくじったり、為損じたりした体験があります。
しかし、失敗や失策を尊い教訓にできるかどうかで、それまでの生き方を変え、よく生きることができます。よく生きるための条件は、失敗の原因をきちんと見極め、明らかにするということです。失敗しても、その原因を突き止め、同じ過ちを繰り返さなければ、成功への道が開けます。
「なるようになるさ」という意味の「ケセラセラ」というスペイン語があります。人生を真剣に生きている限り、諦めさえしなければ、目標にしていることが叶う回数のいかに多いことか。重要なのは、人生なんてどうにかなるものだという楽観主義です。物事を全て良い方に考え、成り行きに希望を持つことで、自分自身の力を発揮することができます。
感情の強弱を上手く利用するといいです。つまり、落ち込んでいるときには静かに過ごし、気分が高まってきたら一気に行動に転じるといったメリハリのきいた生き方を身に付ければ、それまでとはかなり違う人生が開けてきます。
守破離。
先ずStep1とStep2の基本の型を守り、しっかり身につけること。この基本が崩れていたのでは、いくら頑張っても効果を期待することができません。次にStep3とStep4で自分なりの創意工夫をして型を破り、最後にStep5とStep6で離れます。 自分の力の限りを尽くしてもうこれ以上やることはないというところまでやります。あとは静かに待っていると、成るように成って行きます。