灘卒東大生の本棚を紹介

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本を眺めて…

帰省した折に、実家の本棚を眺めてみました。

昔の自分の学習部屋は父が使っており、私が上京した後に家の大半の蔵書がそこに集められました。壁一面にびっしりと本が並べられ、知の集約庫のような雰囲気を醸し出しています。いつでも手が届くところに本があるという環境で育ったわけですが、私という人間の形成に大変な好影響を与えました。

まずは、書庫めぐりでもしてみましょう。

部屋に入って真っ先に目に入るのは東の壁です。

そこには文庫本ばかり集められた巨大な本棚があります。思想・哲学・古典・日本/外国文学・自然科学など幅広いジャンルにわたって偏りなく置かれています。その右下、全体の20分の1くらいのスペースに自分が小学生時代に読んだものが集められていました。ごくわずかなものですが、それでも、かなりの冊数はあります。岩波少年文庫、講談社ブルーバックスだけでも百数十冊あると思います。適当な本を手に取ってページをめくってみると、その本を読んでいる幼い自分の姿が思い出されて懐かしさを覚えます。子どもの頃と今では、本から感じ取れるものは変わってきていますが、まだまだ子どもの感性が健在なことに気づくと嬉しいものです。

さて、視線を南に転じてみると図鑑が集められたコーナーがありました。

これは、もう、知的好奇心の溢れる泉のような場所です。一日に何時間、この本棚の前に座り込んで心をときめかせ、熱中していたことでしょう。小学館の動植物関係の図鑑、21世紀子ども百科シリーズ、朝日ジュニア百科年鑑などが一通り並べられています。何を隠しましょう、大学に進学した今も、これらの図鑑を手に取ることがあります。世界の偉人を集めて見開き2ページで紹介している『人物館』は大人でも楽しめます。

幼少時代の私のように図鑑の前で座り込んでしまうと先へ進めませんね。

単行本の棚も見てみましょう。こちらは教育関係の本や英語の本がびっしりと並んでいます。美しい装丁が施された『完訳ファーブル昆虫記』(10巻20冊で発売)もきちんとあります。そうそう、自分の大学の過去問も25年分置かれていました。

他に、私がいままでに取り組んでいた参考書や問題集の類もあるのですが、それらはすべて、上京前に段ボール箱に収納しました。屋根裏部屋を開けて目に入る凄まじい数の段ボールの中には自分の勉強の痕跡が眠っているはずです。

本があるということ。

そこに、自分の思考の軌跡や自己の形成が認められるのなら、そしてまた、精神の拠り所にもなるのなら、それは大きな財産だと思うのです。

本多静六の勉強法

偉人と呼ばれる一人に本多静六(林学の創始者・投資家)がいます。

著書を読み進めると大変な努力家であったことがうかがえます。「生まれつきの天才でなくても、努力次第で成功を収められる」という模範を示した人でした。

彼は、東大進学後に数学で落第してから、寸分を惜しんで猛勉強しました。そのときの方法をエキス勉強法と名付け、次のように紹介しています。

“学校で習ったことは、要点を紙にまとめて常に持ち歩いて暗唱した。”

この勉強法は卒業後も健在で、要点メモを集めて本を書いたりもしたようです。

数学の問題1000問をすべて解ききり、それ以来満点が続いたという話や、ドイツの留学先で257ページの本を3週間で一字一句暗記し、半分の年数で博士課程を終えたという話を聞くと、静六の努力のほどがよく分かります。詳しくは著書『成功するために必要なシンプルな話をしよう』(知的生きかた文庫)に譲りましょう。

わたしの勉強法

とても、並べられるものではありませんが、私の受験生時代の勉強法も簡単に紹介しておきます。重視したのは「まとめノートの作成」と「時間管理」です。

自分の苦手分野はすべてノートにまとめました。そのノートを毎日見返すことで、理解に乏しい個所を限りなくゼロに近づけました。周りを見渡しても、目標を達成した人は皆、「まとめノート」を作っていることに気づきます。

すべての隙間時間を有効に活用したのも大正解でした。あらかじめ、暗記事項を確認して、お手洗いや入浴中に、暗唱して覚えてしまいました。寝る直前と起床直後は単語の暗記に充てました。

大切なのは勉強に対する姿勢です。努力すればするほど勉強がはかどり、意欲が高まることでさらに努力に励むという好循環が生まれます。

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学び舎タイムズ編集部

教職歴37年。中学・高校教諭、予備校講師を経て、1996年6月に小さな個人塾を開塾しました。
「将来的に役立つ学力を身につけた子どもを育てたい」という想いから生まれた、こだわりの天然木造教室は保護者からも好評です。

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