卒業生からのメッセージ 2014 学ぶことと生きること
学び舎通信 133
学ぶことと生きること
「学ぶ」を手元の辞書で引くと、「教えてもらったり、見習ったりして、知識や技術を身につける」と書かれています。しかし、知識や技術は、教えてもらってすぐに身につくものではありません。
「身につける」とは、「知識や技術を、自分のものとして、自由に使うことができるようにする」ことです。「身につける」ためには、頭や体が自然に動くまで練習を重ねる以外方法はありません。
そして、知識や技術を身につけたあと、「どういうふうに生きればいいのか」ということを考えて、実行できたとき、学んだことになるのです。
みなさんのひたむきに学んでいる姿に、心を打たれることがあります。みなさんの「学び方」は、みなさんの「生き方」でもあるのです。「心を込めて学んでいる人は、心を込めて生きている人だ」と思います。本を読むとき、字を書くとき、人の話を聞くとき、人に話をするとき、座るとき、立つとき、歩くとき、「自分の行うことに心を込められる人は、よく生きられる人だ」と思います。
学ぶ目的は、テストでいい点をとることでも、試験に合格することでもありません。「よく生きる」ために、「学ぶ」のです。自分の「学び方」を見つけられる人は、自分の「生き方」を見つけられます。
勉強について
Nくん
僕は、小学校の時はあまり勉強が好きではありませんでした。なぜあまり好きではなかったのかはこの学び舎に入ると分かりました。
それは基礎ができていなかったからです。
学び舎の久保先生は、「簡単なことを確実に理解し、できるようにする」という教え方だったので、あまり勉強が好きではない僕でもすっと理解できて、勉強の奥深さを知ることができました。
「勉強は基本を確実に理解し練習を繰り返すことで実るものだ」ということを学び舎で実感できました。
そして、僕は勉強について建物を建設することに似ていると思いました。基礎となる土台がしっかりしていれば、応用という建物がくずれる心配はありません。逆に基礎となる土台が不十分だと、応用という建物をじょうぶに建てることができません。勉強というのは、こういうものだと思いました。
だから、中学校の3年間勉強していて思ったことは、「基礎が全てだ」ということです。
ですから、後輩のみなさんは、必ず基礎を完璧にしてください。基礎がなければ応用はないと思うからです。
そして、このことを教えてくださった久保先生には本当に感謝しております。本当にありがとうございました。僕の人生は久保先生が支えになったと言っても過言ではないと思います。ありがとうございました。
1年間で学んだこと
Nさん
わたしは、受験生だという自覚をあまり持っていなかったと思います。でも、わたしは1年生や2年生のときとちがって、中学3年の1年間はたくさん勉強したと思います。
わたしは何かを続けるということが苦手なので、途中でさぼってしまうことも多々ありました。これから先もこの性格は直らないと思います。
この1年間で、わかったことがあります。それは、さぼってもまた頑張り直せるということです。わたしには、これがいちばん合っていると思いました。
わたしはこれから高校生になり、大学入試のときも、勉強するときは一生懸命勉強して、休むときはしっかり休もうと思います。そして、わたしは自分のリズムというものをつくることが、大切だと思いました。
塾長より
中間試験前の土曜日・日曜日を中心に、中学生の勉強会を行いました。
「勉強」は「学び」と区別して、「知識や技術を身につけるために、励むこと」です。試験は、勉強して、どれだけの知識や技術が身についているかを測るために行われます。ですから、試験を受ける前には、どんな問題が出ても、正解できるというくらいまで万全に勉強しておくのが、作法です。できないことをできるまで練習するのです。何度も繰り返し練習すれば、知識や技術は脳みそに染み込みます。
勉強の成果を上げる決め手は、集中力と練習量と気力です。
学び舎で得たもの、環境
Nさん
題1:得たもの
約2年間、学び舎で得たものはたくさんある。
学力だけでなく、家で勉強する習慣や勉強の仕方、勉強の楽しさも得ることができた。また、挨拶や敬語などの礼儀の大切さも改めて知ることができた。そんなことができるのは、この学び舎だけだと思った。
題2:環境
学び舎で自分が勉強を好きになった理由は、もちろん久保先生の接し方、教え方が良かったのもあるが、教室とその周りの環境が良かったというのもある。
初めて学び舎に来た時、「清潔感溢れる教室だな」と思った。何に対しても第一印象が大切。だから、学び舎や優しい先生は見た時からすごく気に入っていた。いつまでも勉強したくなる、明るい教室であってほしいと思う。
題3:最後に
学び舎に来て、本当に良かったと思う。勉強にたくさんの楽しみや自信をもつことができた。「自ら勉強する力」を身につけることができたのが、何より嬉しい。これからもたくさん勉強して、自分自身を磨いていきたいと思う。
先生へ
約2年間、本当にお世話になりました。高校でトップを狙って、日々勉強に励みたいと思います。応援よろしくお願いします!いつまでも優しい、楽しい先生でいてください。
ありがとうございました!
高校受験を終えて
天王寺高校(慶應義塾大学へ進学) Tさん
まず、中学生の皆さんにメッセージを送ろうと思います。
1年生の皆さん、新たな生活が始まり、テストとクラブの両立の難しさを痛感するでしょう。でも、今はそれで良いのです。たくさんのものごとに触れて、心身共に成長しましょう。決して焦らず自分なりに頑張りましょう。
次に2年生の皆さん、そろそろ学校生活にも慣れたころでしょうか。クラブの楽しさも感じられるようなってきたと思います。ここで、気を抜かず、かといって気負いすぎず、楽しく過ごしてください。しかし、2月になったときにはもう受験の始まりです。受験勉強は早ければ早いほどよいでしょう。本格的に受験勉強を開始してください。
最後に3年生の皆さんには、特に言うことはありません。一つだけ「現状維持」を心掛けてください。ここが正念場ですよ。
次に、私の中学生活についてお話します。前半偉そうなことを話しましたが、私はこんな模範的なものではありませんでした。
なんとなく私立中学に進学しました。しかし、そこは、中高一貫校で高校受験をするに当たって、良い環境とは言えませんでした。それで、中学2年の夏、公立中学校に転校しました。それから、塾に通い始めました。その塾では大量の宿題が出ました。自分には合わないと思ったので、2年の3学期に学び舎に変わりました。
私にとって学び舎は、最高の自習室でした。それは、最高の塾だということです。なぜなら、自習こそ、最も意味のある学習だからです。
以前に行っていた塾では、大量の宿題を嫌々して、自分の本当にしたい学習をする時間がなくなる。あげくに、宿題が終わらないから答えを写す始末。これでは、「勉強」をしているのか、「作業」をしているのか分からなくなりますよね。本当の「知力」というのは、自習によって身につくものだと、私は思います。
久保先生、本当にありがとうございました。
【卒業生の作文掲載3回目です。今回で終わりです】
静かに積み重ねる
塾長より
自分の立てた目標を達成するためには、静かな生活をすることです。遊んでいてはいけません。粘り強く勉強することが、目標達成への道です。一日の勉強はわずかでも、それを積み重ねていけば、自分の決めた目標を成し遂げることができます。
一歩一歩の積み重ねがあって、初めて山頂に立つことができます。だから、一歩を疎かにしてはいけません。「自分の足で歩いて、山頂に立つ」ことは、しんどくて辛いことかもしれません。
しかし、小さな努力を積み重ねることで、目標に近付くことができます。そして、目標が実現したとき、大きな感動とともに自信を持つことができます。
子どもは、ひとりひとり異なる力を持っています。大人は、それを比べてはいけません。子どもをよく見て、その子のよいところを見つけるのです。子どもは認められれば、自信がつき、力を発揮することができます。これが、education(教育)なのです。