卒業生からのメッセージ 2016 自分を鍛え、集中力をつける

学び舎通信 160

目次

自分を鍛え、集中力をつける

「やろう」と決めたことをやる。やらなければならないことを、やりたくないときでも、きちんとやり遂げる。それが集中力です。

ありとあらゆる誘惑を断ち切って、一旦「やる」と決めたことに全力を注ぎ込む。それが集中力です。

集中力とは、意志の力です。意志の力とは、自立の度合いを示すバロメーターです。集中力は、自分の気持ち次第で、自分の努力によって育て上げ、身につけられる筋肉のようなものです。

「自立する」とは、誰の力にも頼らず、頼れる自分を目指すという意味です。

人間なんてそう簡単に変わるものではありません。悪く変わることはあっても、善く変わることは少ないです。少ないですが、変わることはできます。可能性があるのなら挑んでみる価値はあります。人間らしい生き方とは、「自分を善く変える」ことに挑むかどうかにかかっています。

集中力が学ぶ力を上げるためのstep3ですが、これを妨げるものがあります。それは親の過保護です。面倒の見過ぎや世話の焼き過ぎで、子どもは自立する力を鍛えることができず、集中力を育て上げることができません。親が必要以上に口出しや手出しをすると、子どもは自分で判断し、自分で決断を下し、自分で実行する力を身につけることができません。

子離れをしていない親に育てられると、子どもは自分の意思で何一つ経験しないで、幼児のままの精神年齢で大人になります。

卒業作文の6回目です。

根性で打ち勝つ

新池中 Oさん

岡田に住んでいる祖母から学び舎のことを教えてもらって、私が学び舎に入ったのは、中学1年生の夏休みでした。

私は人から命令されて物事をすることが嫌いです。学び舎では「勉強しろ」と命令されることはなく、わからないことがあれば、とことん教えてくれるので、勉強をどんどん進めることができました。

しかし、学び舎に通うのにとても苦労しました。

(編集者注:Oさんの自宅から学び舎まで約7kmあり、自転車で約30分かかります。雨の日はカッパを着ていましたが、雨水が浸透して衣服が濡れていることもありました。強風の日はよろめきながら辿り着いていました。)

「泉佐野の自宅から自転車で通う」と最初に自分から両親に宣言したものの、冬になると暗くなるのが早くなって、帰るのが怖くなり、通うのが嫌になりました。ですが、母に「帰りが怖いので送り迎えをして欲しい」と言うわけにもいかず、よく半泣きで帰りました。中学3年生の3月まで通い切って思うことは、根性がついたということです。

私は志望校を1年生のときに決めていました。それは3年間変わることがありませんでした。しかし、学力が足りず、学校の先生からは「もう少し評定を上げよう」と言われていました。3年の11月に模擬試験を受けました。結果はD判定でした。悔しくて泣いてしまいました。あと3か月しかない。あせりも出てきました。しかし、「ここで志望校を変えるわけにはいかない」と思い、必死に勉強しました。特に、私立高校の受験前から、久保先生によく質問し、その度にご丁寧に教えていただき、自習にもよく行かせていただきました。

3年生の2月、受験勉強のラストスパートをかけて、心も体も疲れてしまい、泣きながら自転車に乗り、気合いを出すために叫びながら、学び舎に向かったこともあります。

この根性が勉強に関係していたと思います。「勉強がどれだけ大変でも最後までやり遂げるのだ」と思ったのです。おかげで、私は毎日、自分で決めた時間以上に勉強することができるようになりました。

公立高校入試当日、私は久保先生からいただいた「受験の心得」を何度も読み返し、胸ポケットに入れました。そうすると、なぜか緊張がほぐれていきました。そして、私は志望校に合格しました。嬉しくて思わず顔をつねりました。

私は学び舎に通い続け、根性をつけ、その根性を勉強に反映することができました。私は母からよく「お金は人に盗られるかもしれないけれど、自分で身につけた知識や学力は盗られることはない」と言われました。勉強が一番大切かどうかは私にはわかりませんが、大切なことはわかります。

この1年間、私を支えてくださった、両親、祖母、久保先生、学校の先生、すべての方々に感謝の言葉を伝えたいです。本当にありがとうございました。

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学び舎タイムズ編集部

教職歴37年。中学・高校教諭、予備校講師を経て、1996年6月に小さな個人塾を開塾しました。
「将来的に役立つ学力を身につけた子どもを育てたい」という想いから生まれた、こだわりの天然木造教室は保護者からも好評です。

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