東大生の幼少期の過ごし方 やって良かったこと
幼少期にやって良かったこと
幸せな子ども時代と聞いて何を思い浮かべますか。持って生まれた身体を精一杯に動かし、脳みそをフルに稼働させることが大切ではないでしょうか。今回は皆さんに是非ともおすすめしたい3つのことを紹介していきます。
自然と触れ合う
一番の思い出です。これに勝るものなし。
- 山登り、川遊び
- 家庭菜園
- キャンプ(野外で寝る)
子供と大人では感性が異なります。雑多な知識や偏見のない純粋な心で自然と触れ合えるのは子どものうちだけです。私の家庭は人混みが好きではありません。遊園地の代わりに、海や山や川へと毎週のように連れて行ってもらっていました。夏休みは星が綺麗な山奥へ行ってキャンプをしました。平日も虫とりや秘密基地作りなど外遊びが中心でした。
遠出が難しい場合は、家庭菜園がおすすめです。自分が植えた野菜が育つ姿に励まされますし、収穫したものはみんなと共有できます。
『センス・オブ・ワンダー』の著者であるレイチェル・カーソンは“「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない”と主張します。続けて、“大切なのは、まず「感じるこころ」を育み、輝かせること。そのために、美しさ、神秘さにあふれる自然に入ってみよう”と語ります。
机上では決して学べないことをしっかり教えてくれます。何よりも感性豊かになります。
図鑑と本をたくさん読む
間違いありません。本は一生の財産です。
- 岩波少年文庫(赤:小学生、青:中学生)
- 小学館の図鑑NEO
- 21世紀こども百科
おすすめの書物は上にあげた3種類です。
子どもの間でもネットが普及しています。インターネットの世界は紙の図鑑や事典とは比べ物にならないほど膨大な情報があり、魅力に溢れているかもしれません。それでも私はアナログな生活を推奨したいです。
紙の図鑑や本は情報量が限られています。例えば、ジョウビタキを手元の図鑑(小学館)で調べると“冬にもなわばりをつくり、侵入してくる相手に飛びかかることもあります”としか書かれていません。「ええっ!?これだけ?」となりますよね。あなたはまだこの鳥を知らないわけです。だからこそ、ジョウビタキとはどんな鳥なのか想像を膨らませますし、姿を見たい、声を聞きたいという気持ちになりませんか。私は気になってあちこちへ探しに出かけましたよ。与えられるものが少ないために、逆に行動量が増えました。
岩波少年文庫は片っ端からそろえました。登校前の毎朝読書タイムが懐かしい思い出です。朝は遊びの誘惑も少ないので読書に集中できました。父と一緒の部屋で読んでいたのを覚えています。
漫画は買い与えられませんでしたが、学校の図書室では読んでいました。小学館の『日本の歴史』です。これは高校受験でも十分に通用するほど充実した内容で、世代を問わずおすすめできます。
楽しく学ぶ
点数よりも「いかに楽しく学べたか」です。
- 学び舎の「学習の記録」が励みになった
- 集中できる環境が整っていた
- 教材をたくさん買ってくれた
- 「〇〇しなさい」とは一切言われなかった
特に「学習の記録」は、非常に役立ちました。
- その日に学んだ範囲が明確になる
- これまでの勉強量が可視化される
私は負けず嫌いでしたから、塾の誰よりも記録ファイルを分厚くしようと取り組んでいました。自分はこんなに勉強したんだと自信にもつながりました。日々の進捗が紙の枚数(厚み)で実感できると励みになり、意欲は高まりました。
「成長量=意欲×環境」だと感じます。部屋には玩具を置かないようにし、誘惑が少ない環境づくりを意識することで集中して取り組めました。私の場合は父が塾を開いていましたから、とっても恵まれていました。学び舎の木造教室は本当に集中しやすい空間でした。父は参考書や問題集も惜しまず買ってくれました。「もっと勉強したかったらこれをしたらどうかな」という具合で、適切なタイミングに良質な教材に恵まれたのも大きかったです。
今回、3つのおすすめを紹介しました。これらを組み合わせて、
①野外で疑問に思ったら
②本や図鑑で調べて
③普段の学習につなげる
という形を目指したいです。試験勉強も緊張感にさらされることで精神が鍛えられますが、中身が薄くて自分を見失いやすいのが注意点です。