疾風に勁草を知る

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烈風の洗礼

昨年12月に富士山に登ってきました。

11月の北アルプスでは自分の身長を越えるほどの雪が積もっていましたが、富士山は12月になっても雪はほとんどありませんでした。ただ、真冬の富士山の暴風を目の当たりにしました。

この日は、富士山の南を前線を伴った低気圧が通過途中でした。麓から見るとレンズ雲が出来上がっているのが良く分かります。みるみるうちに黒い雲に覆われてきて、強風が吹き荒れてきます。砂粒がバチバチと身体にあたり痛みを感じるほどでした。ときおり、小石が飛んできてヘルメットにカツンとぶつかります。

竜巻を身近に感じたのは初めてです。

身の危険を感じたとき、私はぞくぞくと気持ちが高ぶるのですが、この時はまさにそうでした。竜巻の来襲は音で分かります。うねうねと茶色い柱が巻き起こると、バリバリバリと地表のあらゆるものを引きはがそうとする音が聞こえてきて、一気に視界が無くなります。「来たぞ!」というメンバーの声で急いで地面に伏せて張り付きます。そうでもしないと身体が飛ばされてしまいそうです。ちょっとでも気を抜くと簡単に体勢を崩され、足元をすくわれます。現に、地面に置いていたザックが100mも遠くまで飛ばされたのを目にしました。時間にすればほんの数秒間でしょうが、じっと砂塵嵐に耐えて伏せるのはかなり長く感じます。自然の猛威という言葉を耳にしたことがありますが、まさにその猛威を目にした一日でした。

疾風に勁草を知る

困難な状況になったときはじめて、その人物の意志の強さや真価がわかることを“疾風に勁草を知る”と言います。

「疾風」は激しく速く吹く風、「勁草」は風雪に耐えて折れ曲がらない草を意味します。激しい風が吹いて初めて、強い草の存在が分かるということです。

入試をたとえに出すのは良くないかもしれませんが、入試で一番試されるのは自分自身の意思です。その学校に入りたいという強い気持ちが大事です。試験直前期にその意思がくじけたり迷いが生じたりすると、それはすぐさま学習効果や体調に影響が出てきます。自分自身が弱っているときに風が吹けば簡単に倒れてしまうでしょう。せっかく今までしてきた努力が台無しになってしまいます。きちんと結果として形に表現する前に終わってしまうのはあまりにももったいないです。

気を最後まで強く持ち続けるのが最も大切なことです。結果は後からついてきます。

入試直前期の過ごし方

私は以下のような方法でうまくいきました。皆さんも工夫した日々を送ってください。

規則正しい生活を送る

幼い頃から生活の規則正しさが破られることはありませんでした。毎朝決まった時間に起きて、食事はできるだけ家族で食べるようにします。入試直前期は主に午前中~昼過ぎまで過去問を解いて(実際の試験時間割を意識)、夜は弱点と感じる分野の復習、寝る直前と起きた直後は暗記物に時間を割いていました。

日々のルーチンを黙々とこなすことでリズムを崩さないようにしていました。

体を動かす

私はよく、勉強の合間に腹筋や腕立て伏せなどの軽い筋トレを行っていました。筋肉をつける目的ではなくて、風邪をひかないように丈夫にするためと身体を温めて冷えを防止するためです。とりわけ後者の効果は顕著で、筋トレ後は身体が温まり頭も冴えてきました。筋トレなどと意気込まずにストレッチ運動なども非常に良いと思います。

昼食後は近くの田畑や海へ散歩に出かけて気分転換するのが常でした。同じコースでも毎回新しい発見があるのでそれを楽しみにしていたからというのもあります。それにしても、私の実家は田畑やため池、海や川に近くてなかなか都合が良かったです。山も傍にあれば申し分ないのですが…。

まとめノートを作る

勉強のコツと言えば、(この通信で何度も繰り返し言っていることですが)まとめノートです。受験に成功する人のほとんどが作っています。大切な事項や自分の弱点、過去問の傾向を自分でまとめることで、理解が深まります。学習効率は大幅にアップします。ある程度演習を積んでからまとめた方が、内容も厳選出来てよいです。かけられる労力と時間が限られている中で成果を出さなければならないのであれば、効率が最優先です。弱点は細部まで詰める気持ちで作りましょう。

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学び舎タイムズ編集部

教職歴37年。中学・高校教諭、予備校講師を経て、1996年6月に小さな個人塾を開塾しました。
「将来的に役立つ学力を身につけた子どもを育てたい」という想いから生まれた、こだわりの天然木造教室は保護者からも好評です。

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