集中する工夫

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集中する工夫

集中できないという人は常に気が散っているのかもしれません。

私が小中学生の頃は、ゲームも携帯電話もネットも家になかったため気を散らすようなモノは一つもありませんでした(代わりに大量の本がありました)。極めて“アナログな”生活を送っていましたが、それがしっくり来ていました。

私の気を散らすものと言えば、空に線を引く繊細な巻雲や美しい声を響かせるイソヒヨドリ、庭で咲きこぼれる藤の花の香りやネムの花に集まるスズメガ類の羽音、がさがさと枯れ枝を集めるキジバトでした。自然の便りはすぐさま私を窓辺に立ち寄らせるほどの魅惑がありましたが、逆に気分がすっきりして集中できました。ちょうど良い気分転換、息抜きになっていたのかもしれません。モノに振り回されることなく、自分の好奇心に素直に従って日々を過ごしていたように思います。

高校の頃から携帯電話を所持し始めましたが、勉強の際は不要ですので電源を切っていました。およそ私の気を散らす“モノ”はほとんどなく、集中力を高く保つことが出来ました。

不要なモノを目に見えないところに置く、身の周りから排除すること以外にも、集中する工夫はあります。

私の場合は、食事をきちんととる、睡眠時間を確保する、部屋を片付けるなど基本的なことを守っていました。それに加えて、勉強の合間に軽い筋トレを行ったり、散歩やサイクリングをしたりして身体を動かしていました。生活の“流れ”を意識することで集中力は高まります。

スマホとの付き合い

近頃は小中学生の間にもスマホがずいぶんと普及していると聞きます。

ただ、スマホは子どもが持つにはあまりに高性能過ぎます。あの薄っぺらい板で何でもかんでも希望がかなえられるなんて、そういうものはもっと後になってからでいいのです。子どもの注意がそればかりに引き付けられていては、自分の足元にあるもっと美しいものにも気づかないまま幼少時代を過ごしてしまうことになります。子どもの感性でしか感受できないことがたくさんあります。その機会を奪われているようなものです。繊細な感性を研がないまま腐らせてしまっていいのですか。

私がスマホを所持したのはちょうど1年前でした。

高校に入って初めて折り畳み式の携帯電話(いわゆるガラケー)を手に入れました。それから数年使い続け、スマホはできるだけ持たないようにと頑張っていましたが、連絡手段の多様性を考えたときスマホに軍配が上がりました。

最大の百科事典とでもいえるネット情報が簡単に手に入り、美しい写真が撮れ、日本全国の地図が表示でき、GPSとしても、ナビとしても…思いつくものはなんでも叶えてくれます。優秀過ぎて頭がくらくらしてしまいそうです。これほどにも便利なスマホですが、所持することで失われるものも少なからずあります。個人的には、これまでのアナログな生活を大切にしつつ、時代の流れに逆らいすぎることなく便利なモノも少し使いこなして新鮮味を添えていければと思っています。

辞書・問題集を自分のものにする

英語の学習は中学一年生から始めました。

初めて触れる外国語です。アルファベットの組み合わせで紡ぎ出される単語、日本と正反対の文構造、聞きなれない発音。最初の頃は戸惑ってばかりでした。

分からないことばかりだったので、常に辞書をめくっていました。幼い頃は図鑑が友達でしたが、中学に入ってからは辞書が相棒となっていました。

私の英和辞典はどのページを開いても書き込みがしてあります。

単語の横に重要なフレーズやセンテンス、発音・アクセントの特徴など、自分が大事だと思ったことは次々と書き込んでいきました。ですから、辞書をパラパラとめくって書き込みに目を通すだけで重要事項の復習が出来ました。言ってみれば、自分だけの辞書兼参考書のようなものを作ったのです。気が向いたときにパラパラとページをめくって見返すだけで復習になりました。

学習を進めていく上で、問題集が果たす役割は大きいです。

問題を解き進めるうちに大切な事項が身に着くように工夫されています。習得には反復が欠かせません。問題集は反復学習にもってこいです。

私は問題を解いた日付と何回間違えたかを印で分かるようにしていました。

解説のページにも補足事項を書き込んで、1週間後、1か月後にもう一度解き直して完全に自分のものにしました。  ただ、勉強の最終目的は、問題集を間違いなく解けることではありません。問題集を解くことでどういった力が身に着くのかを意識するようにして下さい。

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学び舎タイムズ編集部

教職歴37年。中学・高校教諭、予備校講師を経て、1996年6月に小さな個人塾を開塾しました。
「将来的に役立つ学力を身につけた子どもを育てたい」という想いから生まれた、こだわりの天然木造教室は保護者からも好評です。

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