子育ての14のコツ

学び舎通信 142

子育てのコツ

目次

できるだけ多くのスキンシップをする

子どもの一生の優しさや生きる力は、2歳までに決まります。2歳までに長い時間、お母さんやお父さんに抱っこされたりおんぶされたりすることで、子どもの心は安定します。抱っこをし、体を接触させることで、子どもは安心し、愛情が育っていきます。

精神科医の岡田尊司さんは「愛着障害」という本の中で、「抱っこという実に原始的な行為が、子どもが健全な成長を遂げるうえで非常に重要なのである。それは子どもに心理的な影響だけでなく、生理的な影響さえ及ぼす。子どもの成長を促す成長ホルモンや神経成長因子、免疫力を高める物質、さらには、心の安定に寄与する神経ホルモンや神経伝達物質の分泌を活発にするのである。抱っこは、スキンシップという面と、『支える、守る』という面が合わさった行動である。よく抱っこされた子どもは、甘えん坊で一見弱々しく見えて、実のところ、強くたくましく育つ。その影響は大人になってからも持続するほどである」と書いています。

子どもを抱きしめてあげてください。子どもと添い寝をしてあげてください。子どもの目を見つめ、手を握り合ってください。特定の人との安定した関係が「愛情の絆」を強くします。

たくさんの子どもと出会うチャンスをつくる

たくさんの子どもたちと触れ合って育った子と、触れ合うことなく育った子では、生きる力がまったく違ってきます。

子どもたち同士が遊べば、必ずけんかやぶつかり合いが起こります。でも、慰め合いやいたわり合いも生まれます。その中で、子どもたちは人との触れ合い方を自然に学んでいきます。また、仲間という意識や思いやりの心も身についていきます。

優しい音楽や美しい風景に触れる

子どもと一緒のときは、子どもの心を穏やかにするような、優しくするような音楽を聴くのがいいです。モーツァルトなどのクラシック音楽や童謡を聴いていると、子どもの心が安定します。

幼い時期に、できるだけたくさんの美しい風景に、触れさせてあげてください。美しいものと触れ合うことは、幼い子の目を、そして、心を豊かにしてくれます。子どもの手をぎゅっと握りしめながら花や鳥の名前を教えたり、肌で感じたりしたことを言葉にするだけでいいのです。             

自然の中で遊ばせる

「夜回り先生」の水谷修さんは、「休みの日に山や川などで遊ぶアウトドア派の子どもと、遊園地やショッピングセンターなどで遊ぶインドア派の子どもをずっと見てきて気づきました。アウトドア派の子どもたちは、不登校や引きこもり、心の病、いじめの対象になったり非行や罪を犯したりすることは少ないのです」と言います。

アウトドア派の子どもたちは、体や頭を使って自然の中で生きる強さを身につけていきます。さらに幼い頃から弱い細菌などに触れていますから、免疫力があります。これは人との出会いにも言えることです。小さな悪と出会い、それと闘い、それに負けない心の抵抗力が培われています。心が鍛えられているのです。ですから、子どもたちを蝕む心の病やいじめなどをクリアできるのです。

休みの日に家族みんなで自然の中で遊ぶといいと思います。近くの山に行って、疲れ果てるまで歩いてみてください。これで子どもたちは変わります。

私たちは自然の中で生かされています。ですから、自然の中にいるだけで心に響いてくるものがあり、本当の癒しを感じることができます。

絵本や童話の読み聞かせをする

絵本や童話の読み聞かせは、子どもたちの豊かな心と想像力を育むための貴重な時間です。

子どもに絵本の読み聞かせをしてほしいのです。わが子を膝の上に乗せて、1ページずつゆっくりと声を出して読んであげてください。物語を聞きながら、美しい挿絵を見ながら、子どもたちは、想像力を働かせて、絵本や童話の世界に入っていきます。

親は毎日1時間勉強する

子どもに「勉強しなさい」と言う前に、親が率先して勉強してほしいのです。そして、その姿を子どもに見せてあげてください。1日に1時間、漢字の勉強でも文字をきれいに書く練習でもいい、本を読むのでもいい、真剣に取り組む姿を見せるのです。

親が真剣に勉強している姿を子どもたちが見れば、自ずと勉強好きな子どもになります。

当番を決めて家事に参加させる

家族で家事の分担を決めて、みんなで分業しながらやってください。与えられた仕事を毎日きちんとやり遂げる習慣を身につけてもらうのです。

生きものを大事にする目的で、花や植木の水やり。整理整頓を習慣づけるために、自分で遊んだ道具を片づけ。掃除の手伝い。料理。週に1回でいいですから、家族全員で共同作業をしてみてください。たとえば、夕食を作ったり、大掃除や洗濯したりして、家族みんなで力を合わせて作業します。共同作業をすることで、子どもはいろいろなことを学びます。

ゲーム・携帯電話・パソコンを使わせない

もしもゲームや携帯電話・スマートフォン・インターネットがなかったら、どれだけ日本の子どもたちは幸せだったか。悩むことなく優秀な大人に育っていたでしょう。なぜ、機械である道具に、私たちの宝物である子どもたちがつぶされなければならないのでしょうか。

優しい言葉をかける

かつて「子どもは十褒めて、一叱れ」と言いました。十褒める中で心の通い合いをつくり、自信といういちばん大事な自己肯定感を持たせる。その上で1ヶ所を変えていく。これがとても重要なのです。

子どもは受けた愛、語られた夢や希望が多ければ多いほど、非行や犯罪、心の病から遠ざかります。受けた優しさや愛が深ければ深いほど、非行や犯罪、心の病に入ってもその傷は浅いのです。 

子どもの可能性を見守る

子どもたちは無限の可能性を持った存在です。学校教育が5段階の評価で判断する体力、技術、知識などは、子どもの能力のある一部分のものでしかありません。それなのにこの部分だけで評価されたり、優秀かどうか判断されたりしたら、落ちこぼれと言われる子どもたちができるのは当然です。 

本当の教育や子育ての原点とは、子どものまわりにいい本やいい人との出会い、いい先生や学校との出会いを作ってあげながら、自らを伸ばし花咲かせるのを助けることです。子どもが持っている無限の可能性の中から、その子だけが持っている本当にいい可能性を見つけてあげ、そして、見守るのです。

親も子どもとともに成長する

よく「親のふりだけはしないでください」とお願いすると、ほとんどの親たちが笑います。でも、子どもを産みさえすれば親ですか。違うでしょう。

産んだ子を優しさと愛で育て上げ、その子に「お母さんの子どもでよかった。産んでくれてありがとう」と言われて、初めて親になるのです。努力をしなければ、いい親にはなれません。親も立ち止まらないで、子どもとともに成長し続けてほしいのです。

子どもが問題を起こした時は、むしろチャンスです。親が変わることによって、家庭を変えるのです。そして、子どもが償うときには親が必ずそばにいる。これが親の本来あるべき姿ではないでしょうか。

家の中をきれいに片づける

問題を起こした子どもたちの家庭に共通しているのは、家の中がものすごく乱雑だということです。この乱雑さは子どもたちの心に秩序をなくします。いい加減な子どもに育ってしまいます。

親も子どもも、家の中は家族みんなで整えるという習慣をぜひ身につけてください。

子どもがしたことの責任は、必ず親が取る

子どもが問題を起こしたら、その責任は親が取らなくてはいけません。責任とは、親が自分の問題に気づき、改め、子どもに寄り添うことです。

「子は親の鏡」という言葉があるように、子どもが問題を起こすのは親に問題があるからです。親という役目は、一度就いたら逃げることのできない一生の仕事です。この仕事だけは失敗は許されません。子どもという自分の血のつながった、新たな命を育てているのですから。

どんなことがあっても、わが子は許す

子どもを授かったら、親という仕事から逃れられません。親としての人生を生き抜く覚悟が必要です。

どんな問題をかかえていても、問題を起こしてしまっても、子どもは許してください。親ならば決してわが子を見放したり、見捨てたりしないでください。子どもを許して信じる。そしてきちんと待っていれば、子どもは必ず親に向き合ってくれます。

考えてみてください。赤ちゃんが生まれてきたときに、「将来、親を泣かしてやれ」「人をいじめてやれ」「人を傷つけてやれ」なんて考えて生まれてきますか。そんな赤ちゃんはただの一人もいない。

どの子もきらきらと目を輝かせながら、「生まれてきたよ。幸せにしてね」と真っ白な心で生まれてきたはずです。その子どもたちを汚し追い込んでいるのは、いったい誰なのでしょうか。

【参考にした本:水谷修「子育てのツボ」】

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学び舎タイムズ編集部

教職歴37年。中学・高校教諭、予備校講師を経て、1996年6月に小さな個人塾を開塾しました。
「将来的に役立つ学力を身につけた子どもを育てたい」という想いから生まれた、こだわりの天然木造教室は保護者からも好評です。

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