継続は自信につながる
賭けに勝つ確率
ギャンブルなどしたことありませんし、このような話をするのはよろしくないかもしれませんが、『数学の言葉で世界を見たら(大栗博司)』という本に面白いことが書かれていたので紹介しましょう。
この本では、ギャンブルでの勝敗の話を数学的な観点から眺めています。まず、勝率0.47の賭けで持ち金50円を1円ずつ賭けていって倍の100円にすることを考えます。詳しい計算過程は本書に譲りますが、ギャンブラーが0円になって破産してしまう確率は99.75%になります。つまり、ほぼ確実に負けが決まっているわけです(言い換えればカジノ経営は必ず儲かる仕組みになっています)。勝つ見込みは0.25%と絶望的に小さいです。
逆に、自分にほんの少しでも有利な時、例えば勝率0.53の時は、この数字が逆転します。50円を倍の100円にできる確率は99.75%となり、うんと有利な状況です。よほど運が悪くない限り負ける(0.25%)ことはありません。
すなわち、5分5分よりも「ほんの少しだけ有利なとき」には、「ほぼ確実に勝てる」ということになります。
この考えは賭け以外にも適用できます。例えば、健康で長生きできる確率はある程度コントロールすることが出来ます。バランスのよい食生活をするとか、適度な運動をする、タバコを吸わない、シートベルトを必ずするなど、自分自身の選択で長生きのための一つひとつのステップがほんの少し有利になるか不利になるかが大きな違いにつながります。
積み重ね
何かでおおきな成功をした人は、普通の人にはない特別な才能があるように見えるかもしれません。しかし、案外そうでないことも多いのです。普通の人とほとんど変わらなくても、積み重ねる確率をほんの少しずつ有利にするだけで、長い目で見て大きな差ができてしまうこともあります。先ほど述べた確立の話は、まさにこういったことを示しています。
毎晩、寝る前に英単語の暗記をする。授業前に軽く予習を済ませておく。週末にはその週で習ったことを復習する。テストが返ってきたら間違えたところをやり直すして次回は必ずできるようにする…。こうした「ほんの少しの努力」を続けていくかどうかで学力は見違えるように伸びていきます。いま紹介したのは中高を通しての私の学習法の一部ですが、実際にうまく学習が進んでいると感じました。
毎日の積み重ねを続ければ続けるほど、信じられないほどの高みにたどり着くことが出来るのです。これは数学的に証明できることですが、経験的にも確かなことです。大事なのは必ず毎日続けることです。途中で手を抜いたり諦めたりすると何の意味もありませんよ。
継続は自信につながる
毎日の積み重ねが大事だと述べましたが、これは心理的にも自分を支えてくれることになります。周りの誰よりも頑張っているという心持ちは自信につながり、今後の励みになります。
自信があるのとないのとでは、学習の効果にも大きく差が出てきます。同じ量をこなしても得られるものは格段に違います。とりわけ受験生になると分かるのですが、自信があれば自分の進むべき道が光って見えます。どの時期にどの内容をどの程度すればいいのか、自信が自身を導いてくれるのです。
入試も同じです。受験生の学力だけを見ているのではありません。自信とやる気も試しているのです。
自信は決して短期間で身につくものではありません。「今までにしてきたことの積み重ね」があって初めて生まれてきます。
ミスをしない
テストなどで後から見ると信じられないようなミスをすることがあります。人間ならミスしてしまうのは仕方ないですね。でも、ミスを減らすことは可能です。私は主に
①理解を深める、
②演習を積む、
の2つを重視しています。
まず、①理解が深まっているとミスに気付くのが早くなります。
算数や理科で単位や桁数の間違いは瞬時に気づきます。英語でもどのような時制や構文が正しいかはすぐにわかります。歴史で出来事の順序も流れが分かっていれば明らかなはずです。
そして、②演習を積んでいれば、自分がどのようなミスをしやすいかが良く分かります。
ミスの特徴を知ることで、次からは同じミスを防げます。以前に犯したものと同じようなミスを何回もしてしまうのは論外です。間違えたところはノートにまとめておくなどして、しっかりと克服しておきましょう。
ミスをしない人は、普段からこういった小さなことも面倒くさがらずに真面目にこなしているのです。