一流の記憶術
覚えるのが苦手…という人は多いでしょう。私も思うように暗記できませんでした。それもそのはず、私たち人間は物事を忘れるようにできています。もし、すべての出来事を覚えていたら頭はすぐにパンクします。
今回の記事では、誰でも簡単に実践できる記憶術を紹介していきます。記憶の工夫は勉強方法の改善に通ずるものがあり、学習能率向上に極めて有効です。私が実践した方法を全て挙げていくので、しっかり熟読して是非とも自分のものにしてください。
記憶には2種類ある
まず、記憶はその保たれている時間で分類されます。
- 短期記憶:すぐに忘れる
- 長期記憶:ずっと覚えている
短期記憶は、「必要な時に必要な分を一時的にたくわえる記憶」です。例えば、遠くにいる誰かと話したいとき、メモを見ながら電話するわけですが、電話をかけた瞬間に番号は忘れていますよね。また、前日の食事内容もすぐに忘れます。このように短期記憶は忘却スピードが早い特徴があります。そのため、短期記憶だけで生活するのは非常に不便です。また、私たちが一度に記憶できる数は限られており、一般的に5〜7個が限度だと言われています。曜日の数は月火水木金土日の7つですし、音階もドレミファソラシの7つです。これらはマジカルナンバー7として知られています。漫画やドラマの登場人物も大抵7人以下に設定されます。あまりに増えすぎると覚えられなくなって混乱するからです。そこで長い電話番号などは、072-482-9757のように3〜4個ずつのかたまりに分けることで覚えやすくしています。これはチャンク化と呼ばれる手法です。
一方、ずっと覚えている物事もありますよね。友達の名前とか、遠足の思い出とか…。先ほどの電話番号の例で言うと、親友の電話番号などはよく覚えていると思います。毎日のように電話をかけていると自然と覚えられます。これは長期記憶が形成された証拠です。一般に、印象が強い事件や情景はずっと胸に刻み込まれやすく長期記憶に分類されます。
2種類の長期記憶
このように、私たちが記憶と聞いて真っ先に連想するのは長期記憶になります。もう少し詳しく見ていきましょう。長期記憶はさらに2種類に分類されます。
- エピソード記憶:経験や出来事に関連
- 意味記憶:抽象的な知識
思い出と聞いて浮かぶものはほとんどエピソード記憶です。友達と喧嘩したこと、家族で旅行したこと…これらは経験や出来事に基づいていますよね。鮮明に思い出せると思います。
これに対して、クジラは哺乳類であるとか、日本で一番高い山は富士山であるといった知識は意味記憶に分類されます。これらは、ちょっとした拍子に忘れてしまいそうなことが多いです。
意味のないものを覚える2つの方法
物事を覚えるには2つのコツがあります。1つ目は法則性をつかみ、理解して覚える方法。2つ目は語呂合わせを活用して意味づけする方法です。順番にご紹介します。
法則性で覚える
例えば、927456381という数列があったとします。これをそのまま記憶できる人はほとんどいないでしょう。でも、次のように分解するとどうでしょう。
9 7 5 3 1 :奇数の大きい順
2 4 6 8 :偶数の小さい順
これで簡単に覚えられますよね。数学の公式や理科の現象を覚える際はこのように法則や論理的つながりを意識するとスムーズに学習できます。
語呂合わせで覚える
例えば、7の平方根は2.64575⋯です。これを瞬時に暗記するのは至難の技ですし、仮に覚えたとしてもすぐに忘れてしまうでしょう。そこで登場するのが語呂合わせです。
√7=2.64575⋯
菜に虫いない(なにむしいない)
このように覚えると簡単ですよね。
参考文献:「記憶力を強くする」池谷裕二
<次回予告>
次回の記事では、記憶の特性を活用した効果的な勉強方法について詳しく述べていきます。お楽しみに。