学びの3ステップ 私の教育方法
学び舎通信 146
学びの3つのステップ
英語にstep by stepという表現があります。一歩ずつ着実に段階を追って前進すること、という意味です。「学びの3つのステップ」を落ち着いて踏むことで、学んだことを身につけることができます。
「学びの3つのステップ」とは、「わかる⇒やってみる⇒できる」という手順で学習を進めることです。この3つのステップの中で、最も大事なのは、「やってみる」ことです。とことん自分で「やってみる」ことで、「できる」ようになります。何度も練習を繰り返すことで、力がついてきます。
宿題をしたり、間違った問題を考え直したり、確認テストの勉強をしたり、こんなふうに毎日こつこつ勉強することが、「やってみる」ことなのです。こういうことをきちんとできている人は、「できる」ようになっています。「できない」と言う人は、宿題をサボっていたり、間違った問題をそのままにしておいたり、確認テストの勉強をしていなかったりします。「どうしたら成績が上がるのでしょうか」と相談されると、私は「学びの3つのステップ」をアドバイスします。素直に聞いて「やってみる」をきちんと実行した人は、突破口を開くことができています。やり方は簡単なので、すぐ実行することができます。「やってみる」で「できる」ようになります。
正しい勉強法
2003年から2008年まで、学び舎で以下のような方法で学習を進めていました。
①授業での説明はなく、テキストで自学自習する。
②学習の要点を自分で読んで理解し、問題を解いて、解答・解説を読む。
③「やってみる」時間を増やすことで、「できる」状態に早く近づける。
④覚えたら自分でテストをして、間違えた問題を重点的に復習する。
⑤完璧になってから次に進む。
この方法で成績がすばらしく伸びた子どもたちがいました。
私の息子も小学2年(2003年)から中学1年(2008年)まで学び舎で学び、自学自習力を身につけました。中学2年から、私の指定した参考書や問題集を使って、ひとりで勉強し始めました。
「正しい勉強法」ができるためには、条件があります。それは、規則正しい生活習慣と読書習慣が身についているということです。この2つの条件が揃っていないと、「正しい勉強法」はできません。
英語の基本
英語の基本は、単語と文法です。単語と文法が完璧にできれば、たいていの高校に合格できます。
「先生、英単語を覚えるには、どうすればいいですか」と訊ねる子どもに、私は、「①紙に書いたり、発音したりして、英単語を暗記する。②実際に覚えたかどうかを自分でテストする。③間違っていたものがあれば覚え直して、できるようになるまで再テストをする。この3つのステップで英単語は覚えられます」と答えます。地道なやり方ですが、だからこそ確実なのです。誰でも英単語を覚えられます。
自信をつける
次の3つのステップで目標は達成できます。
①目標を明確にする。
②計画を立てる。
③毎日少しずつ実行する。
このうち最も大切なのは、「実行する」ことです。例えば、テキストを繰り返し練習して完璧にする。「テキスト1冊を完璧にする」と、「1冊やりきった、まるまる理解した」と自信がつきます。そして、覚えた知識を頭の中から自由自在に取り出せるようになって初めて、「自分の意志で勉強しているんだ」と思えるようになります。
授業を聞いただけ、ノートを取っただけの受け身の勉強では、自信をつけることができません。しかし、積極的に自分の力で確実に理解し、身につけていくことで、精神的に鍛えられ、自信をつけることができます。「その日の勉強を理解し、できるようになった。その週の学習内容を完璧にした」という小さな成功体験を積み重ねていくことで、確実に自信がついていきます。
自信は、誰かに頼るという受け身の気持ちでは生まれません。自信は、自分の頭を使って問題を解いていくうちに、少しずつ生まれてくるものなのです。
東大発学び舎通信
学び舎通信の裏面を息子が担当しています。東京での生活費を節約するために、新聞の購読もインターネットの接続もしていないそうです。家にいるときは、新聞を隅々まで読んでいましたが、今は大学の図書館で閲覧しているそうです。学び舎通信も大学からEメールを送っています。裏面の文章は、6月10日に届いたものです。