卒業生からのメッセージ 2017 師の条件
学び舎通信 167
心の栄養
私たちの体には、免疫力や抵抗力が具わっています。きちんと栄養を摂り、規則正しい生活をしていて、健康であれば、ウイルスや細菌に負けません。
ところが、栄養の偏った食事や不規則な生活を続けていると、体の免疫力や抵抗力が低下し、私たちは病気になってしまいます。
私たちの心にも、外からの様々な攻撃をかわすことができる免疫力や抵抗力があります。親が子どもにたくさんの優しい言葉をかけたり、いつも子どものいいところを褒めたりしていると、心の免疫力や抵抗力が強くなります。親が子どもの成長をゆっくり温かく見守る大きな心を持つことが大切です。
多くの人たちが感動する心を失っています。何となく一日を過ごし、周りにどんな美しいものがあっても、それをきちんと見ようとせず、ただだらだらと生きています。その一方で、喜びや哀しみには敏感で楽なことや楽しいことだけを求め続けています。
毎日の生活のなかに、私たちの心にとって大切な栄養がたくさんあります。朝日や夕日や夜空の星の美しさに心を震わせること。美しい花や小鳥の鳴き声に心を輝かせること。優れた本を読んだり音楽を聴いたりして心を豊かにすること。素晴らしい人との出会いに心をときめかせること。
師の条件
教育という仕事は、誠実に取り組めば、素晴らしい芸術行為になります。教師の真面目に生きる姿勢が、子どもの心の琴線を調律し、掻き鳴らします。
教育という仕事は、独立不羈の気概を持った人でなければ、全うできません。人を雇ったり、人に雇われたり、フランチャイズを利用したり、パソコンを使った学習に頼ったりしていてはできません。
教育という仕事は、根のない所や種のない所で無理やり子どもを伸ばそうとすることではありません。あちこちに教室を建て、システムを管理し、合格者数を競っている所は、もはや塾ではありません。
教育砂漠の中で、義憤を感じ、「これでいいわけがないではないか」という熱い思いを持ち、「人間の尊厳というのは、自分の力で生き、生き終えられるということである」と立ち姿で示せる人が師です。
子どもが「自分の可能性はどこにあるのか」を気づくように導くこと。子ども自らが可能性を伸ばし、花を咲かせるよう手伝うことが教育なのです。
子どもが、自分で考え、決定し、その行動に責任を持ち、成し遂げるという考える力を身につけるには、黙って見守る心の余裕が必要なのです。
今春卒業した子どもたちの作文を掲載してゆきます。
学び舎での3年間
泉南中 Mさん
私が学び舎に入ったのは、中学に入学する前の春休みでした。塾というのは進むのが早く、私の勉強の仕方では追いつかないのではないかと不安でした。
けれど、学び舎は自分のペースで勉強ができる私に合った塾でした。
中学1年の1学期に、私は張り切って全ての時間に自習に行きました。しかし、長時間頭を使いすぎたため半分以上が疲れでボーッとしてしまい、定期テストであまり良い点が取れませんでした。2学期に、行く日や時間を決めて自習すると、テストの点数が上がり、嬉しかったことを未だに覚えています。
中学3年生になった私は、自分が受験生だという自覚があまりありませんでした。2年生の時よりも勉強したにもかかわらず、点数が下がり、「勉強してもむだで嫌になる」とネガティブに考えることが増えました。でも、目標を持ったことでネガティブに考えることがなくなり、熱心に勉強に取り組むことができるようにました。その目標は、高校に合格して看護師になるということです。
思い始めたのが12月頃だったので、「考えるのが遅い」と母に言われました。しかし、私はわずかな時間でも有効に使いました。それまでの自習時間に加えて、受験の1週間前から毎日夕方の時間も学び舎に行き、過去問をひたすら解きました。過去問の受験勉強で使ったノートは3冊以上になりました。
受験当日、私は余裕をもって挑みました。面接も自分が思っていることを素直に言えました。終わった後に、焦らず受験に挑むことが良かったと思いました。志望校に合格でき、心が楽になりました。
学び舎に通って良かったと私は思います。理由は、自分のペースで勉強できることと、分からない所はていねいに分かるまで教えてくれることです。この3年間、大変な事や後悔した事がたくさんありましたが、私は学び舎で勉強できて良かったと思います。