卒業生からのメッセージ 2022 学ぶ意味、簡素な暮らし
学ぶ意味
毎日こつこつ努力していると、自信が生まれます。
自分のしていることが他の何よりも好きになって、それに熱中すると、上手にできるようになります。ゲームやスマホなどの娯楽の時間を少なくして、練習する時間を増やすと、巧くできるようになります。
ある学校の先生が、「良い成績を取りたければ、人一倍頑張りなさい」と教えました。そのとおりに頑張って良い成績を収めた生徒がいました。その生徒は確かに「努力の貴さ」を知りましたが、それ以上に、「良い成績を収めた」という満足感を覚えました。同時に「他人に勝った」という快感にひたりました。その後、その生徒は「努力そのものよりも他人に勝つこと」を目的として、勉強するようになりました。大人になったとき、中学時代に身につけた「勝つための方程式」に磨きをかけ、他人を蹴落とたり陥れたりする、憐憫の情のない人間になりました。
良心の呵責を感じなくなれば、悪知恵の働く狡猾な人間になります。無慈悲で打算的な利己主義者は、裕福になれたとしても、幸福にはなれません。
トルストイの『文読む月日』に、「学問を我が身を飾る冠と思ったり、食わんがための手段と思ったりしてはいけない」という箴言があります。自分という人間をつくるために学ぶのです。「自己完成のために学ぶ」ということを忘れてはなりません。
簡素な暮らし
生活の質を良くするためには、生きることを真剣に考えなければいけません。不健康な食生活を続けていると、適切な栄養を摂ることはできません。必要以上に物を買うと、身軽で自由な人生を生きられません。テレビやゲームやインターネットに時間を使い過ぎると、やるべきことをする時間が奪われてしまいます。夜更かしして朝寝坊する人は、1日で一番生産的な朝の時間を寝て過ごすことになります。
多くのことに手を出して忙しくしている人は、一つの道で成功することは難しいです。人生には、大切なこととそれほど大切ではないことがあります。その違いがわかれば、人生の可能性は大きく開けてきます。自分の時間を取り戻すには、悪い習慣をやめたり、集中力を妨げる物を取りのけたりして、心を空にして無心になる時間をつくる必要があります。
簡素な暮らしは爽やかで快適です。物はできるだけ持たないように、買わないように、人間関係も複雑にしないように、余計なことを考えないように、心配しないようにすると、やるべきことに集中できます。
習い事や趣味を少なくして、「持たない・買わない・しない・考えない」という素朴な生き方をしている人がいます。欲のとらわれをなくして虚心坦懐に生きている人は、おだやかで静かに落ち着いています。質朴な人は、世俗的な地位や名誉などに執着することなく、何事にも動揺しない心をもっています。
傲慢心がなく心が清らかな人、虚栄心がなく善行を望む人、温柔で素直な人、慈しみと愛情のある人は、簡素で心地よい人生を送れます。
日々の努力の大切さ
Mさん
受験勉強する上で、工夫したことを紹介したい。
一つ目は、テレビドラマを見ないということである。私はドラマが好きでよく見ていた。だが、久保先生が「見ない方が良い」と言ってくださったので、見ることをやめた。今思うとやめて良かったと思う。
次は、寝る前に英単語を覚えたことである。『学び舎通信』を読んで「寝る前が暗記をするのに最適だ」と知り、始めてみた。入試問題には英語の長文が多く、単語が分からなかったら意味が理解できないからだ。そうするとだんだん長文が理解できるようになった。「毎晩英単語を覚えたのが良かった」と思う。
また、受験勉強となると分からないことが次から次へと出てくる。その時は、分からないことをそのままにせず、遠慮せず久保先生に聞くことが大切である。私は「先生に聞くことで、解き方や考え方のコツがだんだんとつかめるようになった」と思う。
私が一番大切にしたのは効率である。長時間勉強をしたとしても身についていなければ、その時間は無駄であるからだ。「一度間違った問題を考え直し、解けたらその問題は忘れることがない。やり直しをすると苦手を減らして良い結果につながる」と思う。
受験生になると、今までと違った緊張感や不安な気持ちに私はなった。でも、その中で、久保先生が言われた「未来の良いイメージを描く」ということを心掛けた。第一志望校に合格した自分や楽しい高校生活を私はイメージしたのだ。そうすると不思議に力が湧いてきて、「頑張ろう」と思うことができた。
人との出会いを大切にして、毎日を楽しみたい。