学びの基本型 早起きと予習
学びの基本型
リズムよく学ぶに限ります。
以前からこの通信で、リズムの大切さに度々触れてきました。普段の生活も、日々の学習も、全てはリズムに乗っていることが肝要です。
学習にも基本型があり、それに沿って進めることで単なる知識ではない、自分で学びとる力が身についてきます。学び舎では自学自習力という呼び方をしていますが、これは日ごろから意識的に訓練していかないと身につきません。
私が小学生の頃から意識していたのが、「予習→演習→復習」という流れです。通常だと「授業→演習→宿題」という形になると思います。しかし、それでは独りで学ぶことにはなりません。他人の指示通りに行っただけです。指図してくれる人がいなくなったらどうするのですか?知識は増えるかもしれませんが、独学の力は身につきません。
わかりやすい授業をしてくれる人は世の中にいくらでもいると思います。
授業をたくさん聞けば、テストの点数も上がると思います。でも、それが危ういのです。将来伸びるのは、独学できる人です。独学の力を身につけるには能動的な学習を習慣づけておく必要があります。これは予習中心の学習にシフトすること、勉強自体を楽しいと思うことで実現できます。私の場合、手取り足取り教えてくれる人がいなかったため、圧倒的に予習に偏った勉強を続けていました。最初は辛くても、ひたすら勉強していれば楽しくなってきます。努力・継続が大事だということです。
考える訓練
幼少期のうちにじっくり考える練習を積んでください。
私の学び舎での学習方法は一見すると極めて非効率なものだったかもしれません。
さっさとページを進めていけばいいものを、1ページ1ページじっくり読み込んでいました。重要なところは赤線を引いて、分からないことは立ち止まって考えていました。1時間もずっと同じ姿勢で同じページを見つめていることもありました。父が目の前にいるのですが、解き方を教えてくれないため、こうするよりほかなかったのです。算数や数学では自分の力で重要な法則を導いたこともあります。次のページをめくって定理として掲げられているのを見て愕然としましたが、親に褒められて小躍りしたのを覚えています。このときに培った思考力は、のちに参加することになる数学オリンピックにも通じました。
知識は忘れられ消えることがありますが、思考力はずっと残ります。
早起きと予習
今年に入ってから、起床時刻を1時間早めて5時に起きるようにしています。途中、論文執筆が入ってサイクルがずれましたが、再び5時起床に戻しました。
早起きと予習はとてもよく似ています。それが、「ほとんどの人が実行できていない」ということです。
これは、見落としがちですが重要な事です。
例えば、普段は遅く起きている人が、一念発起して早起きを始めたとします。たいていの人はジョギングをしたり、文章を書いたりと有意義に過ごすでしょう。ダラダラと普段と変わり映えのない無意味な時間を過ごすことはないはずです。
「早起きした」ということが「特別」なことであり、自分を褒めたたえるべき「すごい」ことなのです。せっかく自分で作り出した「好機」を自分で台無しにするなんてことは間違ってもしないでしょう。予習も同じです。みんなよりも頑張って予習したというその気持ちがあなたを後押ししてくれるのです。もちろん、自分から進んで取り組む姿勢を崩さないようにしてください。他人から言われてするのでは、かえってマイナスです。自分は指図されないとできないのだと負の感情を抱くだけです。言われる前に取り組んでください。行動しなければ何も生まれません。
「まず実行して、言葉はその後だ」
論語(為政第二)で孔子がこう述べています。
成功の好循環
「成功体験を積み重ねるにつれて、今まで以上に物事に励むようになる」と言われています。
プロと言われている人がどんどん先へ進んでいくのもこれと関係しているのかもしれません。成功は自信を生みます。自信は意欲を生みます。意欲は努力につながり、努力は成功を作り出します。好循環が出来上がっているのです。「負け」ばかりの人生はつまらないし、すべてが暗く見えてしまいます。 早起きでも予習でも大丈夫です。できることから積み重ねていってください。